スマートフォンにおける広告予算配分は如何に考えるか?

2012-07-26

広告市場において、新たな取り組み・広告出稿範囲の拡大の観点から著しい伸びを見せている方法の一つが
スマートデバイス(スマートフォン・タブレット端末)向けの広告である。既にスマートデバイスを対象として広告
出稿を行なっている企業も多い。電通が発表した「2011年(平成23年)日本の広告費」によると、モバイル広
告全体が1,168億円(前年比97.3%)のうち、スマートフォン向け広告は337億円(うち検索連動広告は208億
円)と、ユーザー数の増加や注目の高まりに応じて拡大をみせている。また、フィーチャーフォンとスマートフォン
を合わせたモバイル検索連動広告は463億円(前年比162.5%)となったことからも、スマートフォン経由の検索
増加がモバイル検索連動型広告費用の成長要因になったことは言うまでもない。

上記背景を踏まえ、スマートフォンを対象とした検索連動型広告の出稿に関して、プロモーションの予算配分を
いかにプラン組みすべきか、考慮すべき点を下記にまとめてみる。

(1)広告掲載位置の特色

Yahoo・Google 共に、現在検索結果ページ内の広告掲載は、1ページあたり上部に最大2枠、
下部に最大2枠の広告が表示され、クリックの大半は検索結果上部から発生している。

【ポイント】
・上位(広告の場合2位以内)に表示させることの重要さ
クリックシェアは検索結果上部が大半である点、広告掲載枠が PC と比較して少ないため、PC における
順位設定・方針よりも上位表示させることが重要といえる

・上位表示の期待が高いキーワードの選定と入札価格・予算設定の実施
スマートフォン向け広告出稿が増加している状況、上位表示がクリック獲得に重要である点から、
上位出稿時のクリック単価は高騰し易い状況にある。KPI に合せて、上位出稿すべきキーワードの選定と
予算配分が重要なポイントといえる。

(2)他デバイスとの指標特性の違い

各指標(検索数・クリック単価等)の違いをデバイスごとに把握する必要がある。PC とモバイル端末(スマート
フォンやフィーチャーフォン)では検索されるキーワードにも違いがある上、(1)で述べた特色にも繋がるが、
上位表示時のクリックシェアからクリック単価はスマートフォンの方が PC よりも高くなりやすい。(なお、検索
数については Google キーワードアドバイスツールなどでデバイスを選択することでデバイス別の検索数を
調査することが可能である。)

(3)スマートフォン検索市場の伸び・業界ごとのスマートフォンとの親和性の考慮

スマートフォンユーザーの増加や注目の高まりによってスマートフォン経由の検索は増加傾向にあると言え、
今後もその伸び幅を考慮しながら予算計画を立てる必要があると考えられる。また、業界ごとでは、娯楽・
エンタメ系、インターネット情報サービス、物販、美容系の業界においてスマートフォン検索の利用が進んで
いる傾向にあるため、スマートフォンへの広告予算配分は全体平均と比べると多くの予算を検討する必要が
あるだろう。

(1)~(3)のポイントを踏まえると、スマートフォンを対象とした広告出稿予算は PC 分の予算の25%程度とし、
業界や出稿キーワード及び表示させる順位に応じて配分する予算額をプラスするという方針が良いと筆者は
考える。また、既にスマートフォン向けの出稿を実施している場合は、検索数やクリック単価の見積データ
(Google キーワードアドバイスツール等で調査できるデータ)と出稿実績における表示回数やインプレッション
損失率等を確認し、現在の予算配分が適切か、機会損失が発生していないか、無駄なコストを投下していない
かを見直す必要があるだろう。

継続的な運用で予算組みを実施する場合、今後のスマートフォン経由の検索増加を考慮し、毎月や四半期
ごとなど定期的に検索数の傾向(主には増加傾向)をウォッチしながら、徐々に予算配分を増やすといった
中長期的視点も持つ方が良い。

あくまでも筆者の見解としては、業界におけるスマートフォン検索の利用状況別の予算配分は下記と考える。

1.スマートフォン検索の利用は平均的な業界:PC 分予算の25%程
2.スマートフォン検索の利用が進んでいる業界:PC 分予算の40%程
(※ゲーム関連のエンタメ系業界においては、既に PC 分予算の50%が適正といえる業界もある。)

さらに、中長期的視点として半年後の予算配分想定を立てるとすると、下記と考える。

1.スマートフォン検索の利用は平均的な業界:PC 分予算の40%程
2.スマートフォン検索の利用が進んでいる業界:PC 分予算の60%程

もちろん、上記想定は今後のデバイス展開や各業界におけるデバイスへの対応(コンテンツの最適化等)
によって少しずつ変化すると考えられるが、今後半年の動きにおいては、引続きスマートフォン経由の検索は
増えていくだろう。

適切な予算配分によるプロモーション実施には、当たり前ながら、デバイスごとに特性・親和性・成長率を俯瞰し、
中長期的な視点で計画を行うことが重要である。

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